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「黒田如水」 吉川英治著  - 軍師官兵衛-NHK大河ドラマ-プラットホーム

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「黒田如水」 吉川英治著 

■ 1989年11月1日発行

  この小説が講談社から発刊されたのは、今を遡ること24年前のことである。文体もかなり古い。やや違和感がないでもない。
  この頃の若い世代には、ややとっついにくいかもしれない。

 例えば、こんな表現がある。
 

 陽もとおいので、夏の日の涼しくはあるが、洞然として中は薄暗い。夜来の惰気と混迷、むうっとするばかり澱ませている。そして議論も尽き果て、さっきから官兵衛の誹謗ばかり並べていた老臣以下の面々は、とたんに黙り込んで、敢えて眸を動かさず、官兵衛が着席する様子をも強いてみな無視していた。


 後着城において、小寺の主従が相寄り、毛利につくか織田につくかを議論している場面である。
 
 これは吉川英治独特の文体で、なれないとなかなか読みづらい。
 
■ 本書の官兵衛の守備範囲

 本書の題名は「黒田如水」である。如水とは、ご存知のとおり、黒田官兵衛が出家して後の呼号である。
 しかし、本書に描かれる官兵衛は、小寺家の家老として、織田につくべきか、はたまた毛利につくべきか、その旗幟を鮮明にしなければならなくなったとき、守旧派が毛利につくべきことを声高に唱えたのに対し、只一人、織田につかなければ小寺家の将来はない旨を主張するところに始まる。
 そして、信長に反逆した荒木村重が、毛利の援軍を得られず孤立した後、その寄って立つ有岡城が落城し、単身、村重の翻意を促すべく有岡城に乗り込み土牢に幽閉された官兵衛が、栗山善助他の部下たちによって救い出される辺りで終わる。

 つまり、本書は官兵衛の前半生を描いた小説である。なのに、表題が「黒田如水」とあるのは、官兵衛よりも如水の方がよく知られているとの思いからだろうが、やや、小説の内容とそぐわない感がないでもない。
 表題をみて、黒田官兵衛の一生が通観できる本と勘違いしないように。

■ 有岡城幽閉時の官兵衛と部下たち

 本書が特に力を入れて描いているのは、有岡城幽閉時の官兵衛と、姫路城を守護している、父親宗円、そして栗山善助や母利太兵衛たちの動静である。これが他の官兵衛本には見られない特徴となっている。 何か、忠臣蔵を読んでいるような錯覚を覚えるほどだ。
 
 吉川英治の時代小説には、無私の心を持って主君に仕える、清廉で潔い人物がよくでてくる。例えば、新平家物語で鳥羽上皇に仕える医師の「麻鳥」など。本書では、官兵衛の幽閉にあたって、献身的に官兵衛を支える「お菊」などがそうである。
 こういう人物造形が吉川ファンにはたまらないのだろう。私も好きである。

■ 秀吉と官兵衛のひととなり

 秀吉は官兵衛のことを弟とも思い、全幅の信頼を置き、その知恵を頼りにしている人物として描かれる。官兵衛もそれに応えるべく粉骨砕身、献身的に秀吉を支えようとする。
 竹中半兵衛もそうである。哲学的ともいえるこの軍師の姿、思いも美しく描かれる。
 しかし、まてよとも思う。生きるか死ぬかの権謀渦巻く戦国時代にあって、この小説に描かれるような清らかな心情を、秀吉、官兵衛、半兵衛が持ち続けていただろうか。ひょっとすると、もっと泥臭い人間模様があったのではないかとも思えるのだが・・・・・・。

 荒木村重は、毀誉褒貶さだかならない武将だが、本書では、優柔不断で惰弱な武将として描かれている。きっと、ここに描かれた村重像が、それ以降の荒木村重という武将の有り様を一定、方向づけてきたのだろう。

 岳宏一郎の「軍師 官兵衛」は、これとは真逆の評価を村重に与えているが、最近では、村重を見直す試みもあるようだ。

■ 評価

 格調高く書かれた吉川文学を、私如きが評するのは僭越ながら、某週刊誌の映画評をもじって、①一食抜いても是非 ②読むだけの価値あり ③お暇だったら ④ソンするぞ、きっと で評価すれば、といったところか。



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