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第3回放送「命の使い道」-26.1.19ー(まとめ) - 軍師官兵衛-NHK大河ドラマ-プラットホーム

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第3回放送「命の使い道」-26.1.19ー(まとめ)

■ 「軍師官兵衛」視聴率

 「軍師官兵衛」第2回の視聴率が発表されました(→関連記事)。
 それによると、第2回の視聴率は16・9%で、初回より2・0ポイント減。これは視聴率的には低調だった一昨年の「平清盛」の第2回(17・8%で初回よりは0・5ポイント増)よりも低い数字です。ちょっと気がかりでんな。
 
 そういえば、「平清盛」のときは、兵庫県知事が画面が汚くて見る気がしないとコメントして物議を醸しましたね。
 あれは臨場感を出すための意図的な演出だったと、NHKは釈明していて、私は何の違和感もなかったので、「知事がなにいうてけつかんねん」とやや腹立たしい思いをしたことを思い出します。
 視聴率に一喜一憂するのもいかがなものかとは思うけど、がんばれ、官兵衛!

■ おたつの死

 それはさておき、今週の官兵衛。
 先週は、職隆の養女として、隣国、室津城城主、浦上政宗の嫡男、清宗におたつが嫁いだまさにその日、婚礼ということもあって、警備が手薄になっているとふんだ赤松政秀勢が室津城を急襲。
 武兵衛からそのことを聞いた官兵衛が、とるものもとりあえず室津城へと馬を走らせる場面で終わりました。
 さあ、おたつの運命やいかに。
 官兵衛と武兵衛が、室津城に到着すると、城は紅蓮(ぐれん)の炎の中に。赤松勢は既に立ち去ったあとでした。
 武兵衛の制止を振り切って、官兵衛が城内に入ると、婚礼の諸道具が散乱、破棄され、政宗、清宗以下、浦上勢の主だったものは、赤松勢に惨殺されてしまったあとでした。

 「おたつ、おたつ!」そう叫びながら官兵衛は城内を探し回ります。と、そのとき、武兵衛が土蔵の中にいる、白無垢を鮮血にそめたおたつを見つけるのでした。
 走りよりおたつを抱き起こす官兵衛。
 「おたつ、おたつ! おれだ」そう呼びかけますが、もはやおたつは虫の息。
 「おたつ、一緒に姫路に帰ろう」そういう官兵衛に、おたつは「か・ん・べ・え・さ・ま」と力なく答え返すのが精一杯です。
 なおも、おたつ、おたつと連呼する官兵衛の腕の中で、婚礼の前に、「きっと幸せになってみせます」と誓ったそのおたつは、短い生涯を閉じたのでした。

おたつ
 (「NHK大河ドラマストーリー」の挿入写真をパチリ)

■ おたつ役「南沢奈央」

 おたつ役は南沢奈央。1990年6月15日生まれの23歳。大河ドラマ初出演です。
 2008年1月、「栞と紙魚子の怪奇事件簿」で、ドラマ初主演。12月、「赤い糸」で、映画初主演。2009年4月、「赤い城 黒い砂」で、初舞台。
 べっぴんさんというより、全体的に丸みを帯びた、ちょっと頬の下膨れのかわいい感じの女優ですね。平安期ならとびきりの美人顔だったのではないか、そんな気がします。
 奈央さんは、インタビュー記事の中でこんなことをいっています。

 「おたつは、官兵衛より年上なので、ときにお姉さん風を吹かすこともあります。官兵衛が初陣から帰ったときも「手柄がなくて残念」などといってしまう。本当は無事なだけでうれしいのに素直じゃないんです。その一方で、広峯明神に仕える御師(おし)の娘として、黒田家が地元の人たちにとってどれだけ重要な役割を果たしているのかわかっていて、官兵衛を心から信頼している。恋心を断ち切り政略結婚に応じたのも「黒田家のため、官兵衛のため」という覚悟があったからだと思います。おたつには、過酷な運命が待ち受けています。でも悔いはなかったのでは。戦国女性のりりしい生きざまを見届けてください
    (「NHK軍師官兵衛ドラマストーリー」から)

 奈央さん、しっかり見届けましたよ。でも、これで、奈央さんの出番が終わるのは、おじさんとしてはチトさびしいな。


南沢奈央

■ 評定

 「かけつけたときは、とき既に遅く、赤松勢は城に火をかけ撤退したあとでした
 重臣会議で、職隆がそう報告すると、「官兵衛、そちのいうとおりになってしもうたな」と政職。
 官兵衛は、怒りに震えながら「今こそ、赤松を討つべき。それをしないのは武門の恥だ」と声を荒げます。
 重臣の小河や江田が「赤松を討とうにもその支度が整っておりませぬ」と反対すると、官兵衛は、なお主戦論をいい募ろうとしますが、職隆はそんな官兵衛を制止します。
 結局、政職は、様子見を決め込むのでした。


 その決定に、黒田家では、重臣の井出友氏や休夢が「養女とはいえ、わが娘が殺されたのですぞ。われらだけでも赤松を攻めるべきだ」と職隆に詰め寄りますが、重隆は、「職隆も苦しいのだ。わかってやれ。いや、もっと苦しんでいるのは官兵衛かも知れぬ」と二人をなだめるのでした。

 おたつのあだをうつこともままならず、荒れる気持ちをもてあます官兵衛。ひとり藪の中で剣を振るいます。それでも気持ちは癒えません。
 ところで、この場面。さすが、古武術を習っているというだけあって、岡田准一の太刀さばきは見事ですね。素人の私にもわかりました。ピューッと空気を切り裂くような鋭さを感じます。
 馬術も見事で、あのオープニングの馬に乗って山野を駆けるシーンも、当初は予定されていなかったところ、その見事な手綱さばきを見て、挿入することになったのだとか。
 これからの合戦シーンでの太刀打ち、手綱さばきに期待しましょう。

■ 重隆の説得

 そんなある日、官兵衛がおたつのことを思いながら、ぼんやり海を眺めているところに、祖父の重隆が、「魚を分けてもらったから一緒に食おう」とやってきます。
 砂浜に腰を下ろして話す二人。
 「赤松を討つべきです。それが武士の面目というもの」
 「今のお前は怒りに任せているだけだ。そのざまで赤松に勝てるとおもうか?」と重隆。
 「やってみなければわかりませぬ。負けたら死ぬまで」

 そう投げやりにいうな官兵衛を、重隆が一喝します。
 「たわけ! 命を無駄に使うものではない。お前は命の使い方がわかっておらん」
 「おたつは私の腕の中で死んでいったのです。婚礼の夜に泣きながら死んでいったのです。仇を討ってやらねばおたつがあまりにも哀れです」
 「頭を冷やせ、官兵衛。あのおたつがあだ討ちをのぞんでいると思うか?」

 そういって、婚礼の前日、おたつが重隆のところにやってきて、心のうちを明かしたことを打ち明けるのでした。おたつは重隆にこういったのです。
 「重隆様、私は官兵衛様をお慕い申しておりました。でも、この婚礼の話をお受けしたとき、その思いはきっぱり断ち切りました。今は官兵衛さまのことを実の弟と思っております。こうして、重隆さまにお気持ちをお話して、私の心はすっきりしました」
 重隆から、この話を聞いても官兵衛の心は晴れません。重隆は重ねて官兵衛をこう諭すのでした。
 「官兵衛、おまえはまだ若い。世の中を知らん。こんな小さな播磨が世のすべてではない。世界は広いぞ。もっと見聞をひろめるのじゃ。おのれが何をなすべきか、世の中をよくみて考えよ。 おっ、魚が焼けたぞ、官兵衛、食わんか」
 
 ところで、重隆がかぶりついたこの魚、さて、なんでしょう。じっと画面を見ましたが、よくわかりません。尾っぽのほうに「ぜいご」があるような。とすれば鰺(あじ)かな? ひょろ長い形からすると鰯かも? 
 あとで、官兵衛が、武兵衛、善助と3人で渓流釣りをしている場面が出てくるし、重隆が魚籠で運んできたこの魚には体側に朱点があるようにも。とすると、渓流魚のアマゴかな? チト気になりますね。 
 
 もう1回、ところで。
 官兵衛を見守り続けた祖父、黒田重隆。
 ドラマでは、藤村志保の一行のナレーションで、こののち57歳でこの世をさります。
 近江から流浪してきた(これには播磨の地侍だったとの異説あり→コチラ)黒田家をここまで再興したのは、重隆のがんばりがあってのことでした。
 重隆を演じたのは竜雷太。
 NHK大河ドラマでは、これまで、「徳川家康」、「独眼流政宗」、「元禄繚乱」、「葵徳川三代」、「風林火山」など多数に出演している常連さんです。
 竜雷太さんは、インタビューの中で、官兵衛を諭すこの場面について、こんなことをいわれています。
 「死ぬ前に官兵衛にメッセージを残すシーンは、やはり、自分としても大事に演じたつもりです。海辺の砂浜で官兵衛とふたりきりで話すんですが、果たしてどうすれば伝わるのか。最初は普通に立って並んでいってみた。違う気がする。次はグッと近寄ってみる。まだピンとこない。では、砂浜ではおかしいけど正座してみたらどうだろうか。そんなふうに、演出家と相談しながら、何度もやらせていただきました。それが官兵衛を演じる岡田准一さんにどのように伝わったのかは、彼に聞いてみなければわかりませんが、でも、私なりに誠実にいきて、誠実に演じていれば、黙っていても何かが自然に伝わっていくのではないかと、日ごろからそう信じているんです
   (「NHK大河ドラマ・ストーリー」から)

 なるほどねえ、で、重隆が木の株に腰掛け、官兵衛が砂の上にあぐらをかくあの姿勢になったというわけですな。竜雷太さん、ごくろうさんでした。

竜雷太 (「NHK軍師官兵衛ドラマストーリー」の挿入写真をパチリ。ちょっと天井の蛍光灯がテカってしまったい)

■ 稲葉山城攻略

 ドラマは官兵衛の「」と、のちに官兵衛とおおきなかかわりを持つことになる信長、秀吉、半兵衛の「」をシンクロさせながら続きます。

 官兵衛が初恋の痛手から立ち直れないでいるその頃、美濃では、酒色に溺れ、佞臣(ねいしん)を近づけ、賢臣を遠ざけて、領国の経営を省みようとしない主君、斎藤龍興をいさめようと、竹中半兵衛(演:谷原章介)が、わずか十数名の手勢で稲葉山城を乗っとりました。
 城に上がっている弟に急病を装わせ、その見舞いと称して長櫃(ながびつ)の中に武具を隠しもって城内に入ると、その武具を身に着けて、反乱を起こしたのです。
 城内で酒色に溺れている龍興に、抗うすべはありません。稲葉山城は簡単に半兵衛の手に落ちたのでした。

 これを伝え聞いた秀吉。さっそく、信長にご注進です。
 信長は、この半兵衛の行動をおもしろがり、「稲葉山城をこの信長に渡すなら、美濃半国をくれてやる。そう、半兵衛に申せ」と、秀吉を稲葉山城に走らせます。
 秀吉に命じながら、お濃のいる弓場に向かって足早に歩いていると、向こうから信長の実母、土田(どた)御前がやってきました。
 「これは母上。息災にてなにより
 「おまえは鬼か!
 土田御前は、実の弟、信行を自らの手にかけた信長がどうしても許せないのでした。

■ お濃登場

 弓場にはキリリと袖を絞って、弓を構えているお濃(演:内田有紀)がいます。
 「竹中半兵衛が謀反に及んだのは、酒色に溺れた我が甥、斎藤龍興をいさめるため。城を素直に明け渡しましょうか
 「竹中半兵衛が利に釣られ、城を明け渡すならそれでよい。もし、義にこだわり、わしの誘いを断るならもっとおもしろい
 「義、でございますか
 「義に生きる男など、この乱世、めったにおらぬ。古びて用をなさず、腐りきったものをすべて叩き壊し、新たな世界を作る。それがわしの義だ
 そういいながら、信長は弓を構えているお濃の後ろに立ち、お濃の弓矢をしっかり支えて引き絞り放つと、矢は見事に的の中心を射抜いたのでした。
 この場面、いい絵になっていましたね。
 どうも、シナリオを読んでいると、当初は寝そべっていた信長がむっくりと体を起こし、これらの言葉を吐く設定になっていたようですが、二人して弓を射る昨夜の場面のほうが、信長とお濃のこれからの関係をうかがわせ、キリリとしていい味に仕上がっていたと思います。

お濃
  (「NHK大河ドラマ軍師官兵衛ストーリー」の挿入写真からパチリ)

■ 斎藤三代

 ところで、斎藤龍興。斎藤道三の孫にあたります。蝮(まむし)の道三こと斎藤道三は、僧侶から油商人を経て、遂には美濃1国を領するまでに立身します。
 しかし、引退後、あとを継いだ斎藤義龍とそりが合わず、義龍を廃嫡しようとして敗れます。そして、道三は実の息子、義龍に殺されるのです。
 信長の正室、お濃は道三の子です。道三は義龍に破れ、死に臨んで美濃を信長に譲ると遺言したといいますが、果たしてこれは真実かどうかわかりません。
 
 龍興は義龍の子どもですが、これがなんとも不甲斐ない武将なのでした。領国の経営に身を入れず、美濃三人衆などの功臣を遠ざけ、酒色に溺れる毎日を送っていたといわれています。
 見るにみかねた竹中半兵衛が、龍興を改心させるために、稲葉山城を占拠し、その半年後に龍興に返しますが、龍興の素行は改まることはありません。
 
 龍興に愛想をつかした美濃三人衆の離反を招き、稲葉山城は信長の手に落ちたのでした。
 龍興はその後、伊勢長島に逃れ、一向一揆と結んで信長包囲網の一翼を担います。のち、朝倉義景のもとに身を寄せますが、遂には信長に敗れた義景ともども戦死をとげたといわれています。
 まさに、美濃も乱世の真っ只中にあったのです。

■ それからの官兵衛

 話は官兵衛に戻ります。このように時代が変転する中にあって、官兵衛は相変わらず、おたつのことが忘れられず、近習としての仕事にも身が入りません。
 官兵衛の顔からは笑顔もすっかり消えうせて、いつもボーッとしています。
 善助や武兵衛が、美濃の竹中半兵衛による稲葉城のっとりのことを話題に出しても、聞いているのかいないのか、上の空です。
 そんな官兵衛の姿をみかねて、職隆は孫子の言葉を教訓にだして、官兵衛を諭します。
 「怒りはまた喜ぶべく、憤りはまた悦ぶべくも、亡国はまた存すべからず、死者はまた生くべからず。わかるか官兵衛。怒りや憤りは時とともに消え、また喜びに変わるが、滅んだ国を再び立て直すことはできない。死んだ者は再び生き返ることもない。今のおまえにはわかるまい。今のおまえは黒田家の恥だ!」
 そして、職隆は一計を案じるのでした。


さっちゃん:昨日は、おたっちゃんとの失恋から立ち直れんで、政職の近習としての仕事にも身が入らへん官兵衛さんをみかねて、職隆はんが「おまえは黒田家の恥だ」とかなんとか叱りつけて、1計を案じるいうとこまでやったわね。で、職隆はんが考えはった1計いうのは何やったん?

かわず:さっちゃんも種子島って知ってるやろ。えっ、サツマイモの種類かって? うーん、ひょっとするとそんな名前のサツマイモもあるかもしれへんけど、ここでいう種子島いうんは火縄銃のこっちゃ。あのカソリックの修道士、フランシスコザビエルが日本に持ち込んだ鉄砲や。
 鹿児島の離島、種子島に伝来されたことからこの名がつけられてん。伝来が1543年(天文12年)いうから、官兵衛(1543年生まれ)が生まれる3年前のことや。
 これは使えるいうんで、急速に日本中に普及して、それまでの戦争のあり方が変わってしもた。あの武田騎馬軍団と信長、家康連合軍が戦った長篠の合戦のことは、さっちゃんも知ってるやろ? 1575年(天正3年)のことやから、種子島が日本に伝来してから30年あまり後のことな。
 この合戦で、信長は何千丁いう火縄銃を使うて、当時、天下無敵といわれてた騎馬軍団を全滅させた。そりゃあ、すごかった思うで。今から想像しても鳥肌がたちそうや。


火縄銃


さっちゃん:その種子島いうサツマイモのことはわかったけど、そのサツマイモと今日の話と何の関係があるん?

かわず:サツマイモやない、火縄銃や!

さっちゃん:そんなん、種子島が火縄銃であることぐらい、最初からわかってるわよ。ちょっとからかっただけやん。

かわず:もう、かなんなあ、さっちゃんには。ドラマでは、隣国の赤松政秀がその種子島を堺の商人から数十丁新たに買い付けたと聞きつけて、小寺でも対抗上、鉄砲を買おうということになった。その買い付け役に官兵衛が選ばれたんや。姫路いう小さい世界に閉じこもってないで、あれこれ見聞を広めたら、官兵衛の気持ちもかわるやろうという職隆の親心やな。で、官兵衛は武兵衛と善助を供に堺に向けて旅立つことになった。

さっちゃん:へえ、水戸黄門みたいやね。で、どっちが助さんで、どっちが角さん?

かわず:それは難しい問題やな。武兵衛と善助やったらどっちかというと、助さん、角さんやのうて、やじきたいうとこかな? まあ、それはさておき、道中でのことや。峠の茶屋みたいなとこで休みながら、善助が武兵衛に話しかけた。「その荷物、重いやろ。ちょっと持ったろか?」。武兵衛はこう答えた。「ここには大事な、大事な砂金が入ってるんや。これは誰にも預けるわけにはいかん
 これを峠の茶屋の親父が聞きつけてた。何を隠そう、この親父は茶屋のだんなになりすました山賊の頭やった。3人が休憩をおえて、山道を歩いてると、この親父が手下を連れて、官兵衛の前と後ろに立ちふさがってこういうた。「おい、砂金をもってるやろ。命まではとろういわんから、素直にその砂金をおいていけ!

さっちゃん:なんか、どっかのドラマで見たような話やね。で、そこに、突如、桃太郎侍があらわれるん?

かわず:ちょっと似てるけど、ちょっとちゃう。突然、あらわれるんやのうて、そこの草むらで昼寝してたんや。それに桃太郎侍やない。寝てたんは荒木村重(演:田中哲司→紹介ページ)いう浪人者や。寝てるとこを起こされて、この村重、すこぶる機嫌が悪い。それに桃太郎侍同様、めっぽう、腕がたつ。官兵衛ら3人の助太刀をして、山賊をばったばったなぎ倒した。なお、突っかかってこようとする山賊に、遂には鞘を払って刀をギラリとさせると、さずがに山賊も怖気づいて、「覚えてやがれ」と捨て台詞を吐いてクモの子や」

さっちゃん:なんか、あんたがしゃべると安もんのドラマみたいやわあ。けど、荒木村重ってどっかで聞いたことあるわね。あっ、隣のおっちゃんの名前、茂木村重っていわなんだ?

かわず:あのなあ、さっちゃん。また、俺をかつごうとしてるやろ。荒木村重いうたら、戦国時代、ここ高槻も含めた摂津国の領主やないか。俺の書いてるブログ「NHK大河ドラマ黒田官兵衛プラットホーム」でも詳しゅう紹介してる(→紹介ページ)。さっちゃんもいつか読んでくれてたやんか。

さっちゃん:そうやったわねえ。思い出したわ。確か、あのキリシタン大名で有名な高槻の高山右近や茨木の中川清秀(→紹介ページ)の親分やったのよね?

かわず:そうそう、そのとおり。ほら、ちゃんと知ってるやん。なにが茂木村重やねん。

さっちゃん:で、その村重はんやけど、ホンマに浪人してるときに官兵衛はんに会うたん?

かわず:それはかなり眉唾やね。村重の来歴をみると、1545年(天文4年)、摂津3守護(池田氏、和田氏、伊丹氏)の一人、池田勝正の郎党、荒木信濃守義村(異説として荒木高村)の嫡男として、池田(現:大阪府池田市)に生まれたとある。れっきとした武士の子や。
 その村重が若いときに浪人として、諸国を遍歴してたというのはかなりあやしいな。といって、諸国を歩き回ることはなかったと断言できる資料もない。
 荒木村重は、NHK軍師官兵衛の前半で、官兵衛とのかかわりにおいて、えらく重要な役割を担うことになる武将や。村重をどう造型するかによって、ドラマ全体の面白みも大きゅう変わってくる。
 ほんで、演出家の前川さんは、官兵衛とのこんな出会いを創作しはったんやな。この創作が吉とでるか凶と出るか、これから楽しみにしていようやないか。

荒木an
(「NHK軍師官兵衛ドラマストーリー」の挿入写真をパチリ。「浪人 荒木村重」)

さっちゃん:ふーん。荒木村重と官兵衛はんとの係わり合いってそんなに強いんや。で、今回は、山賊を追い払ったあと、どうなったん?

かわず:官兵衛ら3人は、村重が寝泊りしてる粗末な小屋で、村重が近畿一円で見聞してきた話に聞き入るんや。
 京では、室町幕府が衰退の一途をたどってて、ほんでも三好長慶というんが幕府をしきってた間はまだよかったが、その長慶が死んだあと、長慶の後継者の善継の後見人として、三好長逸(ながやす)、三好政康(まさやす)、岩成友通の三好三人衆が台頭、これに松永久秀が加わって、なんと、当時の公方様、第13代将軍足利義輝を京都二条城で殺害するという事件を起こした。これが1565年のことや。
 こんなことする人間がいつまでも仲ようして政治をつかさどるなんてことはない。やがて、三好三人衆と松永久秀も権力の座をめぐって相争うようになり、近畿一円が戦禍の巷に陥るんや。もう、無政府状態やな。
 官兵衛たちはそんなこんなの情勢を荒木村重から聞いて、もう驚天動地もいいとこ。こんなんで堺までいけるやろか、不安に思てると、村重が道案内をしてくれるというやないか。それはありがたい。村重を先頭に堺に向かう道中は、戦禍の山や。焼け出され逃げまどう農民や町人たち。殺され放置された死体。もう畿内一円が戦争状態と化してた。そんな中、道端に累々と転がる死体に手を合わせながら、官兵衛たちは堺に向かうたんや。

さっちゃん:荒木村重(→紹介ページ)を演じるのはどんな俳優なん? ドラマ「軍師官兵衛」で、荒木村重がそんなに大事な役どころなら、さぞかし名のある俳優が演じるんやろね。それとも期待の新人とか。

かわず:さっちゃん、覚えてへんかな? 去年の夏に一緒に観にいった福山雅治主演の「真夏の方程式」。あの映画にも出てたで。

さっちゃん:えっ、ホンマ。どんな役で? 

かわず:杏の父親は前田吟が演じてたけど、本当の父親は別にいてたやろ。それを演じたのが田中哲司や。画面にはあんまり出てこなんだけどな。田中哲司は、最近、テレビや映画にようでてる。貴重な脇役なんや。数年前に上映されたあの「八日目の蝉」にも出てたし、今年の日本アカデミー賞で数々の優秀賞を受賞した「そして父になる」でも重要な役回りを演じてた。ほん最近、テレビで放映された「松本清張ドラマスペシャル・三億円事件」にも出てたで。


てつじtanaka


さっちゃん:へえ、そうなんや。そんな俳優さんやったら期待大やね。

かわず:ホンマになあ。荒木村重いう武将は、ひとかたならん人生を送った人なんや。池田の地侍の子に生まれて、そのときの主、池田勝正を追放し、茨木城にいた足利義昭の側近中の側近、和田惟政を破り、続いて伊丹親興をも追放して、数年の間に摂津30数万石の主におさまった。
 三好三人衆についたかと思うと、彼らに将来はないと判断して信長に組し、信長の酷薄さ、非情さを嫌気して、石山本願寺と毛利氏に組し、信長に反乱を企てた。
 ほんで、信長に勝てないとみると、妻、子や有岡城の城兵を見捨てて単身毛利に逃れ、自分だけが助かる道を選んでる。晩年は「道糞」などと称して、自らを卑下したかと思うと、利休七哲と呼ばれるほどの茶人になり、秀吉のお伽衆を務めたりしてる。
 有岡城の脱出だけをとらえると、なんと卑怯未練な武将やとみられがちやけど、村重は人質を殺したことがない。有岡城に籠城したとき、人質のようなもんやった明智光秀の娘(村重の子、村次の妻)を離縁して里に帰してるし、高山右近が信長に下っても、右近から人質としてとっていた右近の妹たちも父親の元に返してる。官兵衛もそう。殺そうと思えばいとも簡単にそうできたのに殺しはしなかった。 いったい、どれが本当の村重で、どれが嘘者なんかようわからん。ホンマ、毀誉褒貶の定まらん武人なんや。
 田中哲司は、そんな武人を演じることになる。これは相当に難しいで。田中哲司もそこんとこはよう心得てて、インタビューにこんな風に答えてる。ちょっと読んでみよか。

 「荒木村重は、刀を抜かずに山賊たちを倒してしまうめっぽう強い流れ者として、官兵衛たちの前に現れます。村重は最初、豪快に笑う、元気いっぱいの男です。そんな彼が織田信長に仕官を願い出るシーンの撮影は、僕自身、とても楽しみにしています。それは、かって大河ドラマ「太閤記」で描かれていた、信長が刀に刺したまんじゅうを村重が食らう場面。初めて信長を前にした村重の緊張や、出世を目指す彼の野心などを表現したいと思っています。
 しかし村重は、やがて信長が期待していた手柄があげられなくなると、徐々に目つきや態度が変わり、彼のトレードマークだった笑顔も消えていきます。台本を読んで、その村重の心の揺れをどう演じようかと考えています。そのときの彼の精神状態の危うさは想像以上で、仕事がうまくいかなくなったときに、精神的に追い詰められる現代人と似たような心境だったのではないかと思っています。
 村重は信長に謀反を起こしたあと、仲がよかった官兵衛を有岡城に幽閉したあげく、最愛の妻であるだしをはじめ家臣を置き去りにして城から逃げ出します。普通に考えたら、戦国時代の武将としては考えられない、男らしくない行動ですよね。台本でどう描かれているかで、この作品における村重の人物像が浮かび上がってくると思うので、今はいろいろと想像しながら役を探っているところです。
 村重は、戦国の世を生きのびたあと、千利休の弟子となり茶人として復活します。散っていった武将たちに比べると、異質な存在といえます。むしろそれが、村重という人物の魅力だと僕は感じています


 田中哲司には、ドラマの中で、是非に陰影の濃いい存在感を示してほしいね。

さっちゃん:あんたのいうこと聞いてたら、そのドラマ、私も見たなってきたわ

かわず:せやろ。ほなら、今度の日曜、湯豆腐でもつつきながら一緒に観よか。

さっちゃん:ああ、残念。今度の日曜は友達と会わなあかんねん。ねえ、ビデオに撮っといて」

■ 商業都市堺

 畿内一円、戦火の中で人々は苦しんでいますが、官兵衛たちが堺についてみた景色は、まるで別天地でした.
 木柵で仕切られた木戸で、木戸番に荒木村重が「今井宗久殿にお会いしたい」というと、商業都市堺の扉が開かれます。中に入ると、大勢の商人がさまざまな物資を売り買いし活気に満ちています。大道芸人がいれば南蛮人もいます。
 武兵衛は、思わず南蛮人に近寄り、まじまじとその青い瞳を見つめ、驚きを隠すことができません。見るものすべてが未知の世界でした。


■ 会合衆、今井宗久

 鉄砲を買い付けるなら、会合衆の今井宗久がいいと、荒木村重は官兵衛たちを今井宗久の屋敷まで案内してくれました。
 村重によると、堺をおさめているのは、将軍様でもどこかの武将でもない、会合衆と呼ばれた人たちだといいます。

 当時、堺の町は商人が自治的に管理をしていて、武士の支配は及びませんでした。その堺の自治組織そのものあるいはメンバーを会合衆と呼んでいたのです。今井宗久はその中心的なメンバーのひとりでした。

 今井宗久の屋敷の前にくると、村重は、「こんな田舎ざむらいに、今井宗久があってくれるかどうかはわからないが、とにかく門を叩いてみることだ」そういって武兵衛を怒らせますが、村重は快活に笑い飛ばして、官兵衛にいいにくそうに「これから摂津のほうにいこうと思っているが、なにぶん、路銀がない。このままでは摂津に着くまでに飢え死んでしまいかねん。少し、ここまでの案内料をくれないか」と頼みます。
 官兵衛は1束しか出そうとしない武兵衛の懐から、3束の銅銭(糸でわっかに通した銭で、銅銭だろうと推測しますが、正確にはわかりません)を村重に差し出します。

 「こんなにいいのか?」
 「荒木殿は命の恩人ですから」
 「かたじけない。今度会うときは、城もちになっているからな。十倍にして返すぞ」

 
■ 鉄砲

 一見(いちげん)の客にもかかわらず、今井宗久は快く鉄砲を売ってくれ、ずしりと重い鉄砲を手にした官兵衛に、「一撃で人が死にます」といいます。
 「これからはいくさも戦い方が変わってくるかもしれませぬな。先日も尾張の織田信長様が、ぎょうさん鉄砲を買い求めにこられました」そういい、買いにきたのは信長の家来、木下藤吉郎という猿に似た面白い男で、「堺の繁栄が戦の道具を売ることで成り立っているというのは、なんとも因果なものだ」といった話を官兵衛に聞かせるのでした。
 しかし、と宗久はいいます。「それが堺の商人の戦なのでございます」 

■ キリスト教との出会い

 今井宗久の屋敷を後にした官兵衛は、堺の雑踏の中をとぼとぼ歩きます。脳裏に、黒田家の恥だといった職隆の言葉、世の中は広い、自分の目で確かめろといった重隆の教え、村重、宗久との出会いなどなどが交錯します。
 そんな官兵衛の耳にどこからか不思議な歌声が聞こえてきました。官兵衛はひきつけられるようにその歌声の聞こえる民家に入っていくと、武士、農民、町人などさまざまな階級の人たちが、キリストの像で祈りをささげています。
 宣教師のルイス・フロイスがポルトガル語で説教し、それを日本人の修道士が通訳しています。
 「おん神、デウスの前では、身分の差はありません。ここでは、みな、同じキリシタンです。キリシタンには3つの教えがあります。デウスを信じること、デウスの救いを望むこと、そしてわが身を思うがごとく隣人を大切に思うこと。そうすれば、この世から争いはなくなるでしょう」 

 キリスト教とのはじめての出会いです。この後、官兵衛はキリスト教に入信しますが、その時期は定かではありません。高山右近に誘われて入信したとも、自ら入信したともいわれます。
 しかし、豊臣秀吉の棄教令にしたがい、キリスト教を棄教し、ルイス・フロイスを悲しませたのも事実です。

 さあ、このドラマでは、これから官兵衛はどのようにキリスト教に接していくことになるのでしょうか。興味津々といったところですね。

 それはとにかく、官兵衛はこうして、姫路にはない広い世界に接し、「世界は広い、とにかく広い、俺にはわからないことだらけだ」と慨嘆しつつも、ようやく、おたつとの別れの悲しみから立ち直ろうとしているのでした。

                   第3回放送「命の使い道」-26.1.19ー(おわり)





 黒田官兵衛に関する本の紹介

 NHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」のストーリー(前半 第1回~第21回まで)がダイジェストで解説された雑誌を2冊紹介しましょう。私も上の記事を書くのに、大いに参考にしています。特にインタビュー記事が楽しいですね。

☆ 1冊目は、東京ニュース通信社発行「TVガイド特別編集 軍師 官兵衛ーストーリーダイジェスト&登場人物詳細関係図ー」(平成26.2月発行)
 ◇ 登場人物詳細関係図 ◇ ストーリーダイジェスト ◇ キャストインタビュー が充実しています。


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☆ 2冊目は、NHK出版の「NHK大河ドラマ・ストーリー 軍師 官兵衛(前編)」(平成26.1月発行)
 ◇ 配役紹介&インタビュー ◇ 岡田准一×谷原章介対談 ◇ 前半のあらすじ ◇歴史特集「ドラマの時代」が充実しています。


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