スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
いい記事だなって思ったらポチっと応援をお願いします。
にほんブログ村
大河ドラマ・時代劇 ブログランキングへ
タグキーワード
- No Tag
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を楽しむサイトです
いい記事だなって思ったらポチっと応援をお願いします。
にほんブログ村
大河ドラマ・時代劇 ブログランキングへ
そのころー。
栗山善助ら家臣の手によって、奇跡の生還を果たした小寺官兵衛は、有岡城から西に四里はなれた摂津有馬の湯にいた。
有馬の湯は、裏六甲の山々に抱かれた湯治場である。
狭い谷の底を六甲川と滝川の清流が流れており、薬師如来を守護する十二将にちなんで、
池ノ坊
中ノ坊
角ノ坊
など、十二の宿坊が軒をつらねていた。
官兵衛はこのうち池ノ坊に滞在し、長期の地下牢暮らしで衰弱しきっていた体を癒した。出湯(いでゆ)の少ない畿内では、有馬の湯は古くから珍重され、胃腸の病、婦人病など、万病に卓効があるとされた。湯は鉄(かね)臭く、赤さびた色をしている。
有馬の池の坊へ、陣與(じんかご)が着いた。
池の坊の主、左橘右衛門は、雇人を指図して、その重病人を人目につかない奥の一室に案内した。そして家中の者が心をあわせて鄭重に、また親切に世話をした。
1年ぶりである。官兵衛は湯にひたった。
骨と皮ばかりの体を、壊れ物のように、女中や宿の男の手に支えられて、そうっと、湯船の中に沈めてもらったのである。
官兵衛は。湯槽のへりに枕した。けれど、体が浮きそうでならなかった。
「……ああ」
初めて人心地のついたものを身の中に持った。われ生きたりと思った。
いい記事だなって思ったらポチっと応援をお願いします。
にほんブログ村
大河ドラマ・時代劇 ブログランキングへ